国内旅行保険入門(1)

国内旅行保険入門(1/2)

みか(涙)

たまきさ〜ん。暑くて、みか死んじゃいそうだよ。あ〜、たまきさんの事務所、超涼しい〜。

たまき(通常)

こんにちは、みかちゃん。ついこの前までは「もしかしたら梅雨明けしないんじゃないか」なんて気象予報士が言っていたけれど、急に暑くなったわよね。それで今日はどんなご用事?

みか(喜ぶ)

この間、夏休みの旅行の話をしたでしょ。本当はお盆休みにだんな様と旅行に行く予定だったんだけど、だんな様のお仕事の都合でお盆はお休みじゃなくなったの。代わりにお盆を過ぎてからお休みが取れることになったんだって〜!その時に旅行に行くことになったので、さっそく旅行保険に入りに来ました〜。

たまき(喜ぶ)

そうだったの。だんな様と一緒に旅行なんて羨ましいわね。この間は海と山で悩んでいたけれど、海と山のどちらに行くことになったの?

みか(通常)

それがね、みかは海と山のどっちにも決められなかったから、だんな様に相談して、西伊豆の海に行くことに決めたんだ〜。それで急いで保険に入っとかなくちゃ〜って思って来たの。たまきさん、この間話してくれたレジャー保険の内容を、もう一度詳しく教えて。

たまき(ウインク)

わかったわ。レジャー保険というのは、簡単に言うと旅行保険(旅行総合保険、旅行傷害保険)のことよ。旅行先が国内なら国内旅行保険、国外の場合は海外旅行保険となるわ。今回のみかちゃんたちの旅行先は国内だから国内旅行保険について詳しくお話することにしましょうね。

みか(喜ぶ)

は〜い。今日もよろしくお願いしま〜す。

たまき(説明)

まず、国内旅行保険を取り扱っているのは損害保険会社よ。損害保険会社というのは、「○○損保」や「△△海上」といった名前の保険会社を思い浮かべればいいわね。どこの損害保険会社でも、大抵は補償される保険金額か保険料のパターンが数種類あってその中から選ぶというのが一般的かしらね。補償内容は、旅行する方の死亡・後遺障害ケガの治療、旅行に付き物の携行品損害、この間も話した遭難時の救援、そして他の人に損害を与えてしまった場合の賠償責任などの費用が補償されるのよ。それじゃ、旅行保険に加入する人の補償から説明するわね。最初は死亡保険金について、ね。

みか(涙)

「死亡」って聞くとなんだか怖いね。もしも今度の旅行で、だんな様が海で溺れた上に遭難して、救助を待っている間にススメバチに刺されて死んじゃったらどうしよう!だんな様がいなくなったら、みか生きていけないよ〜。

たまき(説明)

……旅行に行って必ず遭難したり、亡くなるような事故に遭うとは限らないと思うけれど。仮に、だんな様が突然亡くなった場合は、専業主婦のみかちゃんが、自分でお仕事をして生活費を賄わなければならなくなるわよね。だから、みかちゃんの気持ちが落ち着いて、働けるようになるまで心配いらない程度の死亡保険金が必要になるということよ。

みか(疑問)

そうだよね、だんな様は海に行っても山に行ってもきっと無事に違いないよね。それで、さっき保険を選ぶときに保険金額から選ぶ、って言ってたでしょ。じゃあ死亡保険金がいくらくらいの保険を選べばいいのかな?

たまき(説明)

人によって必要な保険金の額が違ってくるから、一概に死亡保険金がいくらのものを選べばよい、とは言えないのよね。みかちゃんの場合は、ほぼ専業主婦だからだんな様が亡くなった場合は収入が無くなってしまうわよね。だからだんな様の保険は保障される金額が多いものを選ぶといいわね。反対にみかちゃんが亡くなった場合を考えると、だんな様はみかちゃんを養っている立場だから、みかちゃんの死亡保障はさほど高くなくても良い、というように考えてみるといいわね。

みか(納得)

ふむふむ〜。一緒に旅行に行く夫婦でも、大黒柱のだんな様と主婦のみかじゃ選ぶ保険が変わってくるってことだね。

たまき(説明)

そして国内旅行保険の死亡保険金が支払われる場合は、日本国内において、旅行中の偶然な事故により死亡した場合と、旅行中の事故によってケガをして事故の日から180日以内に死亡した場合に死亡保険金が支払われることになっているの。旅行保険では、旅行に行くのが目的で自宅を出た時点から自宅に到着するまでの間を「旅行中」と言うのよ。だから、例えば旅行に行くために自宅から最寄り駅に向かう途中でケガをした場合なども保障の対象となるのよ。

みか(喜ぶ)

へ〜、旅行中って言っても旅行先だけじゃないんだ〜!それもなんかすご〜い。

たまき(説明)

もうひとつ後遺障害保険金というものもあるの。普通は死亡・後遺障害という風にセットで扱われるものなんだけれど、国内において旅行中の偶然な事故によりケガをして、事故日から180日以内に身体に後遺障害が生じた場合、死亡・後遺障害保険金額の3%〜100%が支払われるのよ。

みか(通常)

たまきさ〜ん、しつも〜ん!

たまき(喜ぶ)

はい、みかちゃん。なあに?

みか(疑問)

その、後遺障害ってね、どういうケガをすると後遺障害っていうことになるの?

たまき(説明)

そうね、日常生活に支障をきたす症状が出た場合に、後遺障害と認定されるわ。例えば、事故で片腕や片足を切断してしまって不自由になるとか、片目や両目を失明してしまった場合などがあるわ。そして自動車事故で多い、頚椎捻挫、いわゆる「むちうち症」は後遺障害にはあたらないのよ。症状が出ていてもそれが「むちうち症」なのかという判断が難しくて、後遺障害と認定されないこともあったり、認定されても最低額という場合もあるの。頭痛や吐き気、それに首や肩から背中・腕にかけての痛みや痺れが続くという症状で、最近は裁判での訴訟が多くなっていると言われているわね。

みか(疑問)

へ〜、そうなんだ〜。たまきさん、もうひとつ質問してもいい?後遺障害になったときの保険金額が3%〜100%って言ってたけど、それってどうやって決めてるの?

たまき(驚く)

あら、みかちゃんにしては鋭い質問ね。

みか(驚く)

え〜、なんか、みかはいつも鋭くない質問ばっかりしてるみたいじゃない?奥さんとして、それくらいだんな様のことをたくさん心配しているってことなのに〜。

たまき(ウインク)

そう言う意味じゃないわ。みかちゃんのように何でも質問してくれる方が嬉しいの。お客様でも「保険に入っていれば大丈夫」と安心して、細かいことをあまり気にしない方が多くて、質問もされないから。それに約款に書いてあることでも、小さな字で書いてあるものだからあまり読まないでしょう。分からないことはどんどん聞いてくれていいのよ。

みか(喜ぶ)

えへへ〜。みかって良いお客さんなんだね〜。

たまき(説明)

さっきの保険金額のパーセンテージだけれど、それは各保険会社の傷害後遺障害保険金支払割合表によって決められているのよ。例を挙げると、両目が失明した場合は100%で、片目の失明だと60%、片目の矯正視力が0.6以下になった場合は5%という支払いとなっているわ。腕や足の場合は、片腕または片足を失った場合は60%で、片腕の手首、ひじ関節そして、肩間接のうち2つの関節または3つの間接が機能を失ったときは50%の支払で、これは片足の間接も同じ症状であれば支払いは同じで、片腕片足の機能に障害を残す時は5%の支払……というように細かく分かれているの。加入する旅行保険の「契約のしおり」に細かく書いてあるの。あとで書いてあるページを教えてあげるからこれを機会に読んでおくと良いわね。

みか(驚く)

へ〜、そんなに細かく決まりがあるなんて知らなかったよ〜。そういう風に決まってるなら分かりやすくて良いよね。

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