日常生活では、物やサービスを購入するというお金の使い方をすることがほとんどよね。それとは違って、お金を預ける、備える、運用するという使い方もあるの。この3種類のお金の使い道のために購入する商品のことをまとめて金融商品と呼んでいるのよ。具体的には、銀行・証券会社・保険会社などが取り扱っている金融関連の商品のことになるわね。
じゃあ保険も金融商品に入るってこと?
そうなるわね。では、3つの方法と商品の具体例について説明していくわよ。
まずは預けるという方法に適した金融商品には預金や貯金があるわ。これは金額に関わらず多くの人がしていることよね。
あたしはしていないけどねー。
次に備えるという方法は、あやかの言うとおり保険があるわね。これは将来、予測できない出来事が生じることによって、支出が増えたり、収入が減ったり、場合によっては病気や事故で亡くなってしまうこともあるわよね。そういう時のために、保険という金融商品を購入して、もしもの時のために備えておくの。
もしもの時に備える保険としては、例えば、医療保険や終身保険、自動車保険なんかが分かりやすいわね。働き盛りのお父さんや、自動車を運転する人には欠かせないものでしょう?
さすがのあたしも自動車保険は欠かせないよー。あたしの運転技術じゃ事故は絶対しないと思うけど、最近運転が下手なドライバーが多いし、万が一ってこともあるしさ。
自分が悪くなくてもお互いが走行しているときの事故は、多少の過失割合が出てしまう場合が多いから、あやかも気をつけてね。
わかってるってばー。
最後に運用するという方法は、基本的にはすぐに使うことのないお金、つまり余裕のあるお金を預貯金や保険よりも少し積極的に活用して、リターンを増やしたい場合の方法よ。例えば、投資信託や株式、国債、外貨預金、ファンドなどへの投資がそうね。
じゃあ、これからやろうとすることはこの投資をするってことだよね。それってすっごい儲かるんでしょ?うわー、楽しみー!
ちょっと待って。投資は、リターンがあるけれどリスクもあるものなの。商品によっては元本がなくなってしまうケースもあるわ。だからしっかりと商品のことを理解してからでないと、後で痛い目を見ることになるのよ。
じゃあさ、あたしのボーナス全部が無くなっちゃう可能性もあるってこと?
必ずしもそうとは限らないわ。投資した元本よりも減ってしまうケースもあるし、逆に大きく増えるケースもあるの。それが投資という金融商品なのよ。
えー、なんかもっと簡単にできるもんだと思ってたのにー。がっかりだー。
でもそんなに難しく考える事はないわ。しっかりとリスク管理をすることによって、金額が減ってしまうリスクを軽減することができるのよ。
さっきからリスク管理って言ってるけど、要するにどうすんの?
投資する際のリスク管理のポイントは3つあるのよ。
第一に、ひとつの商品のみに投資するのではなく、複数の商品に分散して投資することが挙げられるわね。景気拡大やインフレ・デフレ等の経済状況の変化に強い商品や、経済状況に左右される商品もあるの。そういう状況に局面したときでも資産を分散して投資しておくことによって、リスクを抑えることが可能になるということよ。
それ何となくわかるかなー。あたし、財布を3個使ってるんだけど、1個の普段用の財布が空になっても、あと2個ある「足りなくなった時用の財布」と「超ヤバイ時用の財布」にお金が入って入れば安心するもん。
……まあ、似たような感じかしらね。
二つ目は、金融商品によっては長期間保有することも大事な商品もあるの。長い時間をかけて運用することによって、短期的な市場変動の影響を小さくすることが出来るから、リスクが小さくなり、安定してくるということね。
あたし気が短いから、長期運用ってのは苦手かもなー。
性格の問題じゃないんだけれどね。最後の三つ目は、同じ金融商品でも投資する時期をずらすことね。それにハイリスク、ハイリターンの商品には余裕のある資金で投資することね。予定のあるお金の場合はちょっとやめておいた方がいいかもしれないわ。