質問がありま〜す。何で、火災保険だけで、保険料の取りすぎが起きちゃったの?
そうね……。自動車保険と比較してみると分かりやすいかもしれないわね。自動車って車検証が必ずあって、自動車の種類や形式、何年に製造されたか、改造が施されているかなど、一台ごとに詳細な情報が確認できるでしょう?
うん。自動車のことはあんまり分からないけど、みかのおうちの車にも車検証があるよ。自動車は、ナンバーが付いてるし、一台ずつ全部違う車だってわかるようになってるんだよね。
その通りよ。自動車保険は、新しく保険に入るときに必ず車検証が必要になっているの。その車検証に書いてある情報に応じて保険料を算出するから、保険料の取りすぎが発生しにくくなっているわ。
まれに車両保険が高すぎてその分保険料を多く頂いていた、ということがあるけれどね。車両に関しては、必ず減価償却をするようになっているから、取り過ぎは発生しにくいのよ。また、医療保険の場合でも、年齢や保障内容に応じて保険料が決まっているから、取り過ぎは発生しなくなっているのよ。
ふむふむ〜。じゃあ、火災保険は、どうなっているの?ちゃんと決まりがないの〜?
ここで言う火災保険は建物自体に掛ける保険なんだけど、保険料の決め方が細かく分かれている割には、主にお客様(契約者)の自己申告だけで建物の構造などを判断し、保険料を決定していたことが多かったのよ。自動車で言うところの車検証のような書類……例えば、設計書や建築確認書の写しなどを保険会社に提出しなくてもいいことになっているの。
え〜、そうなの〜!同じ保険でも、自動車の保険とおうちの保険って全然違うんだね〜。
今回問題になっている「保険料取りすぎ問題」は、様々なことが原因になっていて、挙げるときりがないくらいなのよ。しいて言えば、正確に建物の構造を判断・調査しないまま保険料を決めてしまっていたことが、大きな原因だと思うわ。
……など、複数の原因があります。
火災保険は、建物の構造や、柱や壁の材質によって保険料が変わるのは知っているかしら?
材質〜?……う〜ん、木でできたおうちは、木だから燃えやすいとか?レンガのおうちは、びくともしないとか〜?童話の「三びきのこぶた」みたいな感じかな!
当たらずも遠からず……といったところかしら。火災保険上の建物の分類は7種類あるの。その7種類は、柱や壁の材質によって決まるのよ。みかちゃんが思っているように、より燃えづらい材質や作りの建物の方が、保険料は安く設定されている、ということね。
そして、建物の材質は、お客様の自己申告、もしくは保険代理店が実際の建物を見てアドバイスした上で、建物の材質・構造が何かを判断して保険料を決めるのが、保険業界で当たり前になっていたの。でも、見た目だけでは判断できない材質もあって、間違って申告しているケースも多く見られたそうよ。
じゃあ、建物が何でできてるかが間違って火災保険に入ったら、どうして保険料取りすぎになっちゃったの?
2×4(ツーバイフォー)という建物を例にしましょう。火災保険の建物分類では、初期は「木造住宅」の分類だったのよ。でも2×4構造の住宅は、一般的な木造住宅よりも耐火性に優れた構造なので、途中から保険料が割引されることになったの。本来、保険料が割引されるはずの建物であるのに、古い契約をそのままにして、長い間、木造住宅と同じ保険料を取り続けていたのよ。
そんなこと、教えてくれないとわかんないんじゃないかな〜?
そうなのよね。保険会社や代理店の不手際であり、契約者さんも代理店に任せておけばいいという考えの方がたくさんいた、ということかもしれないわね。