保険金不払い問題ってなんだろう？(3)

保険金不払い問題のもう１つは、損害保険会社の医療保険（第三分野保険）よ。

医療保険の不払い事例として、最も多いのが支払事由非該当（始期前発病等）と言うものよ。これは、加入時に病歴をきちんと話して（告知して）いたにも関わらず、その病歴と因果関係が実際にはないのに、因果関係があると言われて支払いを拒否されたケースね。

２番目に多いのが告知義務違反解除で、これは、保険契約時の告知の時に、契約者が過去の病歴をきちんと話していなかったために、保険金の支払を拒否されたケースよ。これ以外にも医療保険の不払い事例はいくつかあるし、件数自体もかなりの数になっているのよ。不払い事例の内訳は下のグラフも見てちょうだいね。

本当にそうよね！近年、生命保険会社も損害保険会社も争って第三分野保険医療保険の開発や販売に力を入れてきているの。それに加えて、保険金の支払い条件がかなり複雑なうえ、多種多様な新商品が氾濫しているから、こういうトラブルになっているんだと思うわ。

でも、各社の競争によって新しい保険商品が開発されたり、保険料を下げたり……と、契約者にとっては、保険を比較して選ぶことができるようになるから、それ自体は良いことなんだけどね。

特に2001年に、損害保険会社も医療保険を販売できるようになってから、競争が激しくなってきたのよ。加入時に関して言えば、損害保険の医療保険の方が比較的加入しやすくできていて、生命保険会社の医療保険の方が間口が狭い感じで作られていることが多いわね。

そういうことではないわ。損害保険会社の場合は、加入時に病歴の告知をして審査で問題がなければ、比較的簡単に契約出来てしまう会社が多いから、加入しやすく加入時に限ってはあまり面倒ではないことが多いという話よ。

一方、生命保険会社の場合は、契約時に病歴を告知をすると、いったん保険会社に持ち帰って１〜２週間ぐらいかけて審査をし、問題がなければ契約になるの。

どちらの場合も、保険を引き受けられる日となる責任開始日は、契約日（告知と契約書に署名捺印、保険料領収完了後）からということになるわ。だから、どちらがいいということじゃないのよ。

生命保険会社は、細かく審査した上で加入してもらうと説明したわよね。つまり、契約する方がどんなリスクを抱えているのか、保険金を支払う可能性がどれくらいあるかをきちんと判断した上で加入してもらうわけね。入り口が狭い分、生命保険会社の方がきちんと対応しているケースが多いと言われているの。一概にどちらがよいとは言えないけれど、生命保険会社の方がより安心と考えられるかもしれないわね。

今回の保険金不払い問題で、保険会社・保険代理店・契約者それぞれの課題がはっきりとしたんじゃないかしら？

まず、保険会社は二度と保険金の不払いが起きないようなシステムを作って行くことが課題になるわね。担当者や契約者の理解度に左右されないような根本的な仕組みが出来たらいいわね。そして、保険会社と代理店は、保険を販売する時に、契約者にきちんと説明する義務を果たさなければならないわ。

保険代理店の課題としては、保険を契約するお客様に、きちんと説明する責任を果たすことが大きな課題になるでしょうね。プロ代理店、兼業代理店、どちらもお客様から見れば、同じ保険代理店ですもの。お客様に契約内容をきちんと理解してもらった上で、加入してもらうようにしなければならないわ。

最後に、みかちゃんたち契約者としては、、保険会社や代理店に任せっきりにしないことが大切ね。自分が加入している保険やこれから加入する保険について「どんな補償内容なのか？」、「どんな場合に保険金が支払われるのか？」を理解することが、今後の保険金不払いや請求漏れを防ぐ自衛策になるはずよ。

それでいいのよ？保険代理店は、お客様が理解してから保険に加入していただけるようにお手伝いするのが仕事なのよ。そして、理解してもらうことが保険代理店としての責任なんだから。、保険のことで分からないことがあれば、保険会社や保険代理店に何でも聞いてちょうだい。

そうね、そうなってくるように、私も頑張らなきゃね。そろそろ、みかちゃんが買ってきてくれた美味しい芋ようかんでもいただいて休憩しましょうか？