まずは、取引信用保険における倒産時の事故発生の流れについて説明するわね。
取引先が倒産した場合、すぐに企業から取引先に売掛債権の支払いを催促するわ。でも取引先は倒産しているわけだから、売掛債権は回収できずに債務不履行になって、保険事故が発生したことになるの。その場合は、そのまま保険契約の通りに保険金が支払われるわ。
ふむふむ。取引先が倒産した場合はシンプルだよね。
取引信用保険での事故は、「倒産」以外に「延滞」の事故もあるのよ。
延滞事故発生の流れを説明すると、取引先に売掛金といった債務の履行遅滞が発生した場合、通常なら企業は取引先に売掛金支払いの催促をするわね。
「支払いが遅れているので、ちゃんと支払ってください」って催促するよね。
そして、取引先に支払いの催促をするのと同時に、保険会社に支払いの延滞が発生していることを通知するの。その間に債務履行してもらえれば良いのだけれど、保険会社に通知してから一定期間経過した後に「債務履行の見込みがない」と保険会社が判断した時点で、保険事故の発生という扱いになって、取引信用保険の保険金の支払いということになるのよ。
なるほどー。企業は商売をしていく上で、こういう保険も考えなくていくようになればいろんなリスクも減っていくよね。
そうね。リスク管理を考える上でも、この取引信用保険特有のメリットがあるのよ。それは、保険加入の前に取引先の経営状態が確認できるということなの。
え?取引先の経営状態が確認できるってどういうこと?
取引信用保険に加入するときは、見積もり時に保険会社が取引先を審査するの。審査をした上で取引先に事故が発生した場合の支払限度額を設定する仕組みなのよ。つまり見積もり時に、審査結果から取引先の経営状態が確認できるということね。
そっか、それはすごく助かるな。そうなると新規の取引先の拡大なんかも怖くなくなるよね。
上手く活用すれば、銀行取引の円滑化やキャッシュフローの安定化、大事な貸倒れ損失の平準化など、決算の安定を図ることもできるわね。加えて、取引信用保険の保険料は全額損金処理ができることになってるのよ。(※2006年4月現在)
さっそく二代目さんに教えてあげなきゃ。でも保険の詳しい内容は、たま姉が行って説明くれるんだよね。
もちろんよ。先方が加入をご検討であれば、私がご説明にうかがうわ。その時は事前に見積もりをするのに必要な取引先企業のデータ及び告知書をいただくことになるわね。
そして、このサイトをご覧の方なら、企業向けの損害保険を取り扱っているお近くの保険代理店さんで相談してみて下さいね。このサイトの監修をしているファイナンシャルプランナーさんが所属する保険代理店 ウィルインシュアランスカンパニーさんでは、今回解説した取引信用保険も取り扱っています。東京近郊ならウィルインシュアランスカンパニーさんから説明に行ってもらうこともできますよ。
大体のことは理解できたよ。二代目さんの方は、プロのたま姉にお任せするね。あとで二代目さんから連絡してもらうようにするから。
分かったわ。
それと、今度うちのライフプランを、もう一度見直してくれないかな?
構わないわよ。そうね……次の回でもいいかしら?
というわけで、次回コラムは我が家のライフプランを例に挙げて「30代夫婦のライフプラン」を解説しちゃいます。お楽しみに!