ところで、ひとみのお家のお隣さんはどんな被害状況なのか聞いているの?
まず玄関の鍵がちょっと壊れていたのと、泥棒が土足で部屋に入られたっぽいんだよねー。それに昨日は雨だったし、部屋中が泥だらけになっていたって……。和室の畳とか布団やソファーなんかもひどいみたい。それとやっぱり現金や宝石類も被害に遭ったらしくてね、金額は聞いてないけど、お隣の奥さんはかなりショック受けてたよ。
あら、そう……。それは本当にお気の毒ね。
火災保険って盗難被害の補償だけなのかな?お隣さんみたいに鍵が壊されたとか、部屋が泥だらけにされたのって火災保険の保険金がおりるの?
お隣さんの火災保険の契約内容を確認してみないとはっきりしたことは言えないけれど、住宅総合保険か団地保険(マンション保険)以上の火災保険であれば盗難の被害やそれに伴う住まいを汚されたり壊されてしまったという被害は補償対象となるわね。住宅火災保険だと家財盗難の被害は対象にはならないから気を付けなくてはいけないわよ。
やっぱり、保険はなんでもそうだと思うけれど内容はキチンと把握していないといざという時、「この補償内容だと保険金が下りません」なんてことになりかねないものね。
そういうことね。お隣さんの被害内容からすると、賃貸マンションの場合は、玄関ドアの鍵を壊された損害と畳のように汚された損害については、大家さんが加入している火災保険で補償してもらうことになるでしょうね。だからお隣さんは、お布団などの家財を汚されてしまった損害に対しての火災保険の補償が受けられるような形になると思うわ。
そっかー。賃貸物件の場合は、玄関や床、畳、それと窓なんかも全部大家さんの持ち物だからだね。
空き巣被害に遭ったことを保険会社に連絡をしたら、保険金を請求する為の書類が送られてくるわ。その書類に被害状況と盗まれた家財・金品の金額や、購入した時の領収書があればその領収書などの書類関係、そして盗難にあったことを警察に届出をしたという盗難届け受理番号、壊されて修理ができる物・家財については修理の見積書などをそえて保険会社に送るの。それから保険会社の調査と被害金額の査定が始まることになるのよ。
空き巣被害に遭って精神的に疲れているのに、保険金請求の手続きってちょっと面倒な作業って感じがしちゃうね。
そうよね。でもプロの保険代理店さんで火災保険に加入していると、保険金の請求書類作成や、盗難届け受理番号のこともかなりの部分で手伝ってくれるわね。
なるほどねー。やっぱりいざという時は保険のプロに気軽に相談できるとすっごく安心だよね。
その通りよ。プロの保険代理店はお客様の信用第一だから、初めてでわからないことがたくさんあっても、しなければならないことや、した方がよいことなど丁寧にアドバイスしてもらえるはずよ。一概に兼業保険代理店さんがダメというわけじゃないけれどね。
さっき調査と被害金額の査定が始まるって言っていたけれど、それはどういうこと?
調査や査定というのはね、被害に遭った際に請求された保険金額が妥当なのかを判断する調査や請求金額の査定のことよ。被害物が古いものであれば年数に応じて減価償却をする必要があるから、適正に減価償却された請求金額か、壊れて修理可能な被害物の見積書であれば、修理見積金額が妥当な金額か、といったことを全て保険会社が査定してご契約者と金額のすり合わせをしたりすることがあるの。
大がかりな調査になると損害保険鑑定事務所に依頼をして被害金額の調査をすることもあるのよ。それによって、ご契約者に支払われる保険金額が確定することになるのよ。
へー、被害品の減価償却の計算もあるんだー。保険金が支払われるまで時間かかるのかな?
警察の盗難届け受理番号が出るのがだいたい2週間から1ヶ月ぐらいかかるの。だから、保険金請求の手続き自体が、それ以降ということになるしね。調査や査定にも更に時間がかかるのよ。
もし空き巣や泥棒に入られても、すぐに保険金が下りるというわけじゃないんだね。
それと火災保険には価格協定特約という特約があって、被害物を新たに購入しなければならない場合、新品の金額にて補償される特約を付けておくことを勧めるわ。
その特約には入っておいた方がいいかもしれないね。