たま姉、おはよう。
あら、ひとみ。こんな早い時間にどうしたの?
うん。ちょっと野暮用でお役所まで行ってきた帰り道だよ。たま姉の顔見に寄ってみたんだー。
ちょうど良かったわ。昨日みかちゃんに頂いたショートケーキがあるから食べていってちょうだい。
ありがと。相変わらずみかちゃんは手土産にケーキを持ってくるんだねー。
しかもたくさん持って来てくれるわね。お土産で持ってきておいて、自分で2つも3つも食べていくわよ?
もしかしたら、みかちゃんの体の半分くらいは砂糖かもしれないよねー。みかちゃんを舐めてみたら甘かったりして。
……さすがにそれはないでしょうけど。でもね、あんなにケーキやお菓子ばかり食べていて、みかちゃんが病気にならないかが心配なのよ。
うーん。みかちゃんの場合は、健康のために甘いものを控えさせたことによって、病気になっちゃう可能性があるんじゃない?
確かに、それも一理あるわね……。
それよりも、ひとみは家族の健康のことを心配しなさい。昨日の新聞にメタボリック・シンドロームのことが載っていたわ。ウエスト径(おへそまわり)が男性85cm以上、女性90cm以上だとメタボリック・シンドロームの疑いがあるそうよ。かずおさんは大丈夫かしらね?
ダンナは付き合いでお酒飲むことも多いし、最近おなかも出てきたみたいなんだー。やっぱり休肝日作らせたりして気をつけないとだよね。
家族の健康を守るのは主婦の役目よ。
あ、たま姉に聞きたいことがあったんだ。昨日ダンナと新聞を見ながら話をしていて、最近は大企業だけじゃなく中小企業も業績がよくて、国の税収が増える……なんて新聞に載っていたんだけどやっぱり世間的に景気が上向いてるってことなのかな?
そうね、大手の自動車メーカーや都市銀行なんてものすごい利益が上がっているみたいだし、法人税などの企業が支払う税金もかなりな金額でしょうね。
そこで疑問なんだけど、うちのダンナみたいな個人事業主じゃなく、そういう大企業みたいなところは節税って一体どうしてるのかな?
ひとみが心配なくても大企業はちゃんと大手の公認会計士事務所が付いていて、合理的に節税対策をしながら納税しているものよ?
そっか、公認会計士かー。でも景気が良いからって全ての企業が黒字ってわけでもないし、赤字だった会社は節税を考えるなんてことはないんでしょ?
業種によっても異なると思うけれど、赤字だった場合は法人税については節税を考える必要はないわね。だけど、企業が納めるべき税金は法人税以外にもあるわよね。固定資産税や消費税、印紙税、不動産取得税、事業所税など様々な税金を納めなければならないの。だから赤字だったとしても節税については考えておかなければならないと思うわ。
確かにそうだよね。
それに税務上の赤字は5年間(平成13年4月1日以降に開始した事業年度に関しての欠損金は7年間)の繰越しができるわ。将来、黒字になった時には欠損金、つまり赤字を繰り越すことができるのよ。
なるほど。それじゃ欠損金の繰越しの逆で、黒字が続いていて、ある事業年度に赤字が続いた場合は払った税金は戻って来ないよね。
残念ながら税務署は税金を戻しはしないわね。だから黒字の時に適切な節税をして、赤字に転換してしまった時に困らないよう常々対策しておかなくてはならないの。
なるほどね。それで第25回:企業の節税の回に教えてもらった企業向けの節税+リスク対策の専用保険ってわけだね!
節税+リスク対策専用というわけではないのだけれどね。やはり保険料が一時払いか年払いの保険を利用することで、収益を繰延べして内部留保をしておくことができるのがメリットよ。