火災保険入門(2/2)
マンション保険というのは、その名の通り、団地などのマンションに住んでいる人向けの保険よ。これもさっきのパックになっている火災保険と同様で、家財保険に個人賠償責任保険と借家人賠償責任保険をつけることが可能なの。ちなみに、分譲マンションの場合は家財保険と住宅保険の両方を契約して、個人賠償責任のみにすることができるのよ。
うーん、パックの火災保険とマンション保険の違いがよくわかんないなー。
一軒家と違って、マンションなどの共同住宅というのは、借りている部屋・家屋だけでなく、隣の部屋や下の階下などに損害を与えてしまい、賠償責任を負うケースも場合によってはあるでしょう。そういった事故が発生してしまったときに対応するのがマンション保険なのよ。そういえば、ちょっと前に、かずおさん（※ひとみの夫）が借りている事務所のマンションでも水漏れ騒ぎがあって大変だったんだって、ひとみが言っていたわ。
へー、そんなことあったんだ。だけど、お義兄さんの事務所自体は大丈夫だったんでしょ？
ええ、それは大丈夫だったみたい。もし、かずおさんの所に被害があったら、ひとみがすごい勢いで乗り込んで行きそうよね。
あはは、ありえるー。普段は人畜無害っぽい感じだけど、ひとみ姉は沸点越えると怖いからなー。話は戻るけど、火災保険って言っても火事以外の保障ってどうなってるの？
じゃあ、これを機に、あやかも火災保険の勉強をしていってちょうだいね。
ちびっこじゃないんだから、生徒呼ばわりしないでよ。まあ、暇だから付き合ってあげてもいいよ。家の保証人にもなってもらうしー。
……まあいいわ。一般的に言う火災保険は住宅火災保険と住宅総合保険の２つに分けられるのよ。住宅火災保険は、火災や自然災害（落雷・風災・ひょう災・雪災）に見舞われた場合と、破裂や爆発による損害を補償するもので、住宅総合保険は住宅火災保険の補償内容に追加して、建物の外部からの物体の落下・飛来・衝突、台風や豪雨による水災、盗難などによって発生した損害を補償するものなのよ。
ふーん。なんかさ、火災保険って言っても、幅広く家を守るための保険じゃん。
そうね。そう考えてもいいわね。でもこれだけじゃないのよ。他には給排水設備に生じた事故または他の戸室で生じた事故による水濡れの補償。さらに騒じょう・集団行動・労働争議に伴う暴力破壊行為、後は盗難と水災ね。その他費用保険金として、臨時費用や傷害費用、持ち出し家財の損害や失火費用、地震火災費用に残存物片付け費用、損害防止費用が付いているわ。
何だかわけのわからない物がたくさん付いているけど、要するに家のことなら何でも保障してくれる保険ってことよね。至れり尽くせりって感じ？
そうね。これだけの保障があればいざという時は安心よね。でもね、水災被害の場合は床下浸水は保障の対象にはならないとか、あくまでも各保険会社の定めた規定に当てはまった時にしか保険金は支払われないからね。
どういうこと？
そうね。じゃあ、少しお茶してから保険金が支払われないケースでもお話ししようかしら？
おっけー。真面目に聞いてたらお腹すいてきたわ。頭使ったから糖分が足りないに違いないわ！食べるもん無い？
昨日みかちゃんが持ってきてくれたケーキが残っているけど食べる？
ちびっこのくせに気が利いてるじゃーん。あたしがいただいておいてあげるわ。
ふふふ。みかちゃんは遊びに来る時って必ずお菓子を持ってきてくれるのよ。
っていうか、ちびっこが食べたいだけなんじゃないの？
……そうとも言うわね。それじゃあ、今、用意するから待っててね。
