山と海と旅行保険(2)

山と海と旅行保険(2/3)

たまき(説明)

海にしろ山にしろ、大自然を相手にするわけだからそれなりの危険がつきものよ。山にハイキングに行ったときの危険というのは、例えば落石による打撲や滑落、そして、疲れてくると思わぬことで足を踏み外して転落してしまうこともあるわ。それに虫対策も必要かしらね。

みか(うっ)

うぅ。クラゲの次は虫?

たまき(困る)

いつだったか、山にハイキングに来ていた小学生や大人の列にスズメバチが襲い掛かってきて何人かが亡くなったなんて事例もあったわね。だから虫にも注意が必要よ。

みか(驚く)

ハチに刺されると痛いだけじゃなくて死んじゃうことがあるんだ〜。みか知らなかったよ。

たまき(怒る)

そうなのよ。ハチの中でもスズメバチは大変凶暴なハチで、山に行ったときには気をつけなくちゃいけない虫なの。特に黒っぽい服や香水などの匂いに敏感で、それを目掛けて攻撃してくる事がわかっているから、山に行くときは、黒っぽい色の服や香水類は禁物ってことをよく覚えておいてね!

みか(涙)

スズメバチこわすぎだよ〜。でも、もじゃもじゃした虫はもっと嫌い……。

たまき(通常)

また、山は天候が変わりやすいから晴れていると思って油断していると、急に大雨や落雷がきて大変な目に遭う場合もあるのよ。それに、山で遭難して救助を要請することになると、物凄くお金がかかるのよ。

みか(疑問)

山で救助して貰うときって、一体どのくらいお金がかかるのかな?

たまき(説明)

基本的な遭難救助の場合は、地元の警察や自衛隊が捜索をしてくれるわ。その場合は、警察や自衛隊は公的機関ということで捜索費用は無料ということになるの。遭難救助ではないけれど、交通事故でパトカーや救急車を呼んだ場合も、公的機関ということで無料と言うことになるわ。

みか(通常)

へ〜。パトカー呼んでもお金かからないんだ〜。じゃあ、警察の人に救助して貰うときって、お金はかからないってことだよね?

たまき(説明)

それはそうなんだけど、山での遭難救助の場合は特殊で、山の地理に詳しい民間のヘリコプターをチャーターしたり、地元の山岳会の方たちに捜索の助けをして貰う場合がほとんどよ。その民間の方が捜索にかかわった場合は、かなりの金額が必要になるわ。例えば、ヘリコプターのチャーター費用が1時間あたり50万円くらいで、1日6時間飛んでもらうとしたらチャーター費用だけでも300万円ということになるでしょ。その他にも捜索にかかわった山岳会の方への日当が3万円程度だから、20人なら1日60万円かかるのよ。その他にも、救助に使用する装備品費用や食事代、宿泊費などの諸経費としてお金がもっと掛かるのよ。下に一例をまとめたから見てちょうだい。

遭難救助における民間ヘリコプターの料金

東邦航空・松本営業所の場合

費用名料金詳細
チャーター料511,500円/時間遭難現場での救助作業料金
空輸料467,900円/時間遭難現場近くのヘリポートまでの回送料金
スタンバイ料300,000円/件通常物輸業務を中断して遭難救助に向かうため、物輸依頼主への補償と調整費用、パイロット・整備士などの調整料
滞留料297,000円/時間機体が現場近くのヘリポートへ入ったが、天候や遭難現場での救助活動で待機が3時間を越えた場合。(請求限度は1日2時間分)
夜間滞留料71,700円/泊滞留が夜間に及び1泊あたりの料金

遭難救助や捜索活動1時間あたりの額

滞留・夜間滞留などを考慮しない場合でも、チャーター料+空輸料+スタンバイ料の合計で127万9,400円かかる計算になります。

遭難救助や捜索活動を、夜間に6時間やってもらったとしたら

費用名料金6時間での額
チャーター料511,500円/時間306万9,000円
空輸料467,900円/時間280万7,400円
スタンバイ料300,000円/件30万円(1件だった場合)
滞留料297,000円/時間59万4,000円(2時間)
夜間滞留料71,700円/泊7万1,700円
合計金額684万2100円

天候不良だった場合や、捜索が夜間まで及んだという最悪の状況を仮定して計算してみると、民間ヘリコプターによる遭難救助金額はなんと684万2100円もかかる計算になります。

民間ヘリコプターを使わずに救助された例

北八ヶ岳遭難救助費用(1998年2月)の場合

南佐久地区遭対協出動費(15名出動)
費用名料金、内訳合計
隊員出動手当(15名分)30,000×15名45万円
同上者の冬期危険手当10,000×15名15万円
指揮者手当(7名分)10,000×7名7万円
保険料84,420円8万4,420円
救助使用装備品(破損・消耗)購入費用(カッパ・スパッツ・ワカン・手袋・ガスボンベなど)8万円
諸経費(レンタカー・マイクロバス3台・乗用車2台/燃料費込)13万円
通信費-5,000円
食事代(行動食を含む)7万円
勤労者山岳連盟救助隊出動費(12名出動)
交通費・燃料費(東京〜八ヶ岳)8万8,143円
装備・食費・宿泊費-12万9,064円
救助隊日当(8名分)5,000円×8名×2日8万円
関係者への謝礼
謝礼-4万4,993円
救助費用合計138万1,620円
みか(驚く)

え〜っ!山で遭難すると何百万円もお金が必要なんだ〜。みかが、もし富士山に登って遭難しちゃったらそれだけで破産しちゃう〜。

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