保険代理店の選び方1(1)

保険代理店の選び方1(1/2)

ひとみ(喜ぶ)

たま姉、おはよー。

たまき(怒る)

もう、ひとみ!おはよーじゃないわよ。もうお昼過ぎよ?昨日の電話してきた時は「相談があるから、起きたら行くねー」って言っていたのに、来るのが遅すぎるわよ。

ひとみ(通常)

だから、起きてからすぐ来たってばー。私は必ず、ダンナとゆかりを送り出して、家事を終らせてから昼寝するって、一日の流れが決まってるの。

たまき(困る)

……。ひとみったら相変わらず一児の母らしからぬ発言よね。なんだか私の回りはそういうお気楽主婦ばっかり集まってくる気がするわ。

ひとみ(怒る)

お気楽主婦ばっかりって、もしかして私とみかちゃんのこと?

たまき(ウインク)

まあ、マイペースなところはそっくりね。

ひとみ(通常)

やだなー、たま姉。みかちゃんとは違うよ。私は子育てもしてるし、ダンナの会計業務をちょっとは手伝ったりしてるし。それに家事を済ませてから、昼寝してるもん。

たまき(汗)

はいはい、わかりました。それより相談って何かしら?

ひとみ(驚く)

あっ、そうそう。実はね、うちのダンナの事務所が入っているマンションあるでしょ?そこで、昨日水漏れがあったんだってー。

たまき(驚く)

それは大変ね。かずおさんも被害を被ったのかしら?

ひとみ(困る)

ううん、ダンナの事務所は平気だったって言ってたよ。どうも4階で水漏れがあったらしくて、ダンナの事務所は2階だから大丈夫だったんだけど、3階の他の事務所が被害にあったみたい。

たまき(通常)

あらあら。それで、原因は何だったの?

ひとみ(悩む)

詳しいことは良くわからないけど、4階に住んでいる若い夫婦が、夜中お風呂の水を出しっ放しにして出掛けちゃったらしいんだよね。4階の夫婦が朝方帰ってきたら水が部屋中に溢れていて、大慌てで管理人さんに連絡して下の階の事務所を開けてもらったら天井から床まで、水浸しだったって話だよー。

たまき(通常)

マンションは事務所のテナントだけじゃなかったの?

ひとみ(通常)

うん、マンションは3階までが事務所のテナントで貸していて、4階から上は住宅になってるよ。だから夜になると下の階は人がいないから、その4階に住んでる若い夫婦が帰って来るまでわからなかったんだって。

たまき(驚く)

良くわからないって言ってる割に、結構詳しく知ってるじゃない。それにしても、お風呂の水を出しっ放しで出掛けて下の階に水漏れとなると、かなりの被害になるわね。被害に遭われた3階の部屋にどんな事務所が入っていたかは分からないけれど、しばらくは仕事にはならないわね。でも、入居者の方は保険にはきちんと入っていたんでしょ?

ひとみ(怒る)

うん、そこのマンションの仲介をしてる不動産屋さんで契約するときに、みんな保険には入っているよ。でもね、その不動産屋さんに事故の報告をしても「今お客さんが来てるので後で連絡します」とか言ってるんだけど、連絡も来ないし、すぐに動いてくれないんだって。で、結局はマンションのオーナーさんが、保険会社に直接連絡して事故の経緯を説明したりすることになって、てんてこ舞いみたい。それに、事故の原因を作った4階の夫婦は何だか他人事みたいで全部オーナーさんに任せっきりなんだってー。

たまき(困る)

あら、そうなの?事故が起きた場合は、仲介した不動産屋さんが保険契約に携わっているのだからきちんと対応してくれるものだと思うんだけど……。

ひとみ(微笑)

ダンナが事務所の賃貸契約をする時に、私も一緒について行ったから不動産屋さんの顔を覚えてるけど、調子が良い人って印象だったんだよね。契約の時は「何かあったときは任せて下さい!」って言っていたけど、結局は口だけっぽくて、実際事故があったのに全然動いてくれないし。だから、これを機にマンションの保険をたま姉にお願いしようかなー、と思って。

たまき(通常)

あらあら、何だかひどい代理店さんなのね。まあ、本業が不動産の仲介業だから、兼業代理店になると思うけど、いくら本業が忙しいからって言ってもそれではあんまりよね。

ひとみ(疑問)

ねえ、兼業代理店って何?

たまき(説明)

保険の代理店には2種類あって、プロ代理店と呼ばれる保険の販売を本業としている保険代理店と、兼業代理店と言って、本業のかたわらで保険の販売をしている保険代理店があるのよ。

ひとみ(納得)

一言に保険代理店って言っても専業と兼業があるってことだね。

たまき(説明)

兼業代理店というのは、自動車の修理工場や不動産屋などが多いわ。今回の話に出てきた不動産屋さんも兼業代理店ということになるわね。自動車の修理工場なら自動車修理と同時に自動車保険の販売を行うし、不動産業なら賃貸契約と同時に火災保険の販売をする、という感じね。会社の規模が大きいところだと保険専門の人がいるけれど、家族や身内で経営していたりすることが多い小さな会社の場合は、どうしても兼業になってしまうわね。

ひとみ(疑問)

やっぱり兼業代理店だと、ダンナの事務所の不動産屋さんみたいな感じで事故の対応が遅かったりすることが多いのかな?

たまき(ウインク)

兼業代理店だからだめと言うわけじゃないわ。もちろん兼業代理店さんでも良い代理店はたくさんあるしね。もうひとつのプロ代理店と言うのは、保険の販売、保全、事故対応などを専門で行っている保険代理店だから、その名の通り保険のプロフェッショナルなの。何かあったときは、代理店に電話1本で即時に対応してくれるところがほとんどよ。

ひとみ(喜ぶ)

今回みたいに、何か事故があったとき、電話1本ですぐ対応してくれるのはありがたいよねー。

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