生命保険の歴史(2)

生命保険の歴史(2/2)

たまき(通常)

年齢に関わらず同じ保険料を払うことから生じた問題を解決した人というのは「ハレー彗星」で有名な天文学者、エドモンド・ハリー(ハレー)なんですって。

みか(通常)

前にだんな様とプラネタリウムに行ったときに、ハレー彗星を見たよ。すごいきれいだったな〜。でもハレー彗星と生命保険にどんな関係あるの?

たまき(通常)

ハレー彗星が関係しているわけじゃなくて、ハレー彗星の回帰を予言したエドモンド・ハリーが関係あるのよ。彼は調査をして人間の寿命を統計化し、ある法則を発見したの。

みか(疑問)

その、ある法則ってどんな法則なの?

たまき(説明)

それはね、『誰が亡くなるかは全くわからないが、年齢ごとの亡くなる人数(死亡率)はほぼ変わらない』という法則でね、この法則を年齢別に統計化したものが「生命表」といわれるものよ。

みか(納得)

へ〜、ハレー彗星の人ってハレー彗星だけじゃないんだね〜。

たまき(説明)

そして、その統計による死亡率に応じて保険料に差をつけて集めることが考えられるようになった制度が、18世紀のイギリスで出来て、今の生命保険のルーツとなったの。最初は死亡率に応じて保険料を徴収すると年々保険料が上がっていく方式だったんだけど、1762年に設立されたイギリスのエクイタブル生命が「契約期間に応じて保険料をならす」という保険料計算の方式を取り入れたのよ。最初は助け合いの精神から始まった保険が、段々とシステムとして出来上がってきて、現在の形となったというわけ。

みか(うっ)

う〜ん、なんだかむずかしくなってきちゃった感じ〜。ところで、ずっとイギリスの話だったけど、日本ではいつごろから生命保険が出てきたのかな?

たまき(通常)

みかちゃんは、福沢諭吉って知ってる?

みか(怒る)

まったくもう。みかだって諭吉ぐらいは知ってるよ!「学問ノススメ」書いたり、慶應義塾大学を作った人だよ。最近はお札にもなってるくらいの超有名人だもん。

たまき(喜ぶ)

みかちゃんが日本史は得意っていうのはホントみたいね。その福沢諭吉が1868年にさっきの制度を日本で紹介したの。その十数年後に生命保険会社が出来たのが始まりなのよ。

みか(納得)

へ〜、諭吉もすごい人なんだね〜。それじゃあ、日本で最初の生命保険ってどこが始めたのかな?

たまき(通常)

それは、1880(明治13)年に「安田生命」と、1881(明治14)年に出来た「明治生命保険会社」よ。

みか(通常)

どっちも聞いたことあるな〜。でも、それって「安田生命」の方が先にできたってことなの?

たまき(通常)

会社としては明治生命が最初と言われてるけど、生命保険の共済組織としては安田生命が先という事になるわね。でも、両社ともに「ウチが日本で最初の生命保険」だって譲らなかったそうよ。

みか(通常)

「どんぐりの背比べ」ってやつだね〜。それってまだ言い合いしてるのかな〜?

たまき(ウインク)

それが、2004年に安田生命と明治生命が合併してしまったので、言い合いは自然と無くなってしまったみたいね。

みか(喜ぶ)

「雨降って地固まる」ってやつだね!

たまき(通常)

まあ、明治安田生命保険が日本最古の生命保険会社ってことで落ち着いたってことかしら。

みか(納得)

ふ〜ん。それにしても、生命保険ってそんなに昔からあるなんて思わなかったな〜。おじいちゃまや、おばあちゃまよりずっと老舗なんだね。昔の人もいろいろ考えてたんだな〜。生命保険はわかったけど、損害保険は何か違うの?

たまき(喜ぶ)

ちょっと長くなっちゃったから損害保険は、また今度にしましょう。今日の美味しい羊羹のお返しに、来週の金曜日に、柴又帝釈天の草団子を買っておくからいらっしゃい。

みか(喜ぶ)

わ〜い。来週の金曜日って4月21日だね。忘れずに草団子食べにくるよ〜!

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