企業の節税(2)

企業の節税(2/2)

ひとみ(通常)

さっきたま姉が言ってた企業の節税に使えるリスク対策っていうと、具体的にどんな対策をするのかな?

たまき(通常)

私が提案する節税は、まず保険を上手に使った税金の繰り延べを進めているわ。

ひとみ(疑問)

え?節税に保険を使うってどういうこと?

たまき(説明)

中小企業は、社長さん自身の信用で事業を行なっている会社が多いの。だから、もしも社長さんが突然亡くなったりしたら、会社の運転資金や債権者への支払いの問題、銀行借入れの問題などが出てくるわ。そうなると会社は存続の危機になりかねないでしょ。

ひとみ(疑問)

まあ、それはそうだと思うけど。もしもに備えて社長さんが高額な生命保険に入って、その保険料を損金に入れるってこと?でも月々の保険料はせいぜい数万円くらいだろうし、たいした金額しか損金にならないんじゃない?それでどうして節税になるの?

たまき(説明)

保険料を損金にするというのは正解よ。ただし、単なる高額の生命保険というわけではなくて、各保険会社が企業節税対策向けの保険として用意しているものがあるのよ。その保険でも月々の保険料だと数十万円にしかならないかもしれないわね。だけど、決算時期に年払いか一時払い(全額を契約時に一括で払ってしまう事)で保険に加入すると、保険料の一部または全額を先行して損金として算入することができるの。年払いだと数百万円になるし、数人の役員や従業員が加入した場合は数千万円の保険料になるのよ。

ひとみ(通常)

なるほど。社長さんだけじゃなくて役員や社員にも節税用の保険をかけるってことか。社員とか役員の人に会社がかける保険料なら福利厚生費ということになるんだよね。

たまき(通常)

ええ、ひとみの言う通りよ。例えば福利厚生費として支払った保険料を先行計上して損金にしておけば、利益から減額することができるでしょう。そして社長さんが万が一の場合にはその保険金で補うことが出来るわね。

ひとみ(納得)

節税の上にリスク対策っていうのは、そういうことかー。

たまき(説明)

保険会社によって異なるけど、解約返戻金が支払った保険料の80%を超える保険もあるの。保険を解約したときの解約返戻金は益金になるのだけれど、社長さんや従業員の退職時期に合わせて解約して、退職金に充当する事もできるわ。そうすれば普通に退職金を積み立てるより、節税にもなるし、リスク対策も兼ねる事ができるのよ。

ひとみ(喜ぶ)

企業向けの節税+リスク対策の専用保険ってわけね!

たまき(ウインク)

ついでに言うと、会社を存続する為に運転資金が必要となった時には、保険料で積み立てていた部分を担保に、保険会社から借り入れすることも可能なのよ。もちろん利息はかかるけれどね。

ひとみ(通常)

担保や面倒な手続きだとか、銀行で借りるより簡単に済むってことかな。

たまき(ウインク)

そういうことね。

ひとみ(納得)

企業が保険を使うのって節税だけじゃなくて、いろいろメリットがあるんだね。全然知らなかったよ。

たまき(通常)

他にも企業の節税になる保険は色々あるの。今話した保険料を損金とすることなどは節税のほんの一部であって、中小企業の節税対策は他にもあるのよ。だから取引先の社長さんと直接お話した方が良いのよね。

ひとみ(微笑)

たま姉は物知りだなー。家に帰ったら、ダンナの取引先の社長さんを紹介して貰うようにダンナに話してみるよ。

たまき(通常)

そうしてちょうだい。さてと、今日はこれぐらいでいい?これから社会保険労務士さんや税理士さんと一緒に中小企業の退職金準備やリスクマネジメント対策の打ち合わせがあるのよね。

ひとみ(通常)

仕事の邪魔しちゃってごめんね。今度はおいしいお茶菓子持って日曜日にでも遊びに来るね。

たまき(汗)

ありがと。そういう美味しそうなものがある時に限って、みかちゃんが現れそうな気がするわ。

ひとみ(喜ぶ)

それじゃ、どっさり買って来なきゃ。

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