そう言えば、青色申告にすると色々な特典ってがあるって言ってたけど、具体的にどんなものがあるの?
白色申告にはない特典としては、1.青色申告特別控除、2.青色事業専従者給与、3.貸倒引当金、4.純損失の繰越しと繰戻し、の4つが主ね。
まずは、『青色申告特別控除』ね。不動産所得・事業所得の青色申告者の場合、貸借対照表を損益計算書とともに確定申告書に添付して確定申告期限内に提出すれば、所得金額から最高65万円の青色申告特別控除が認められるわ。平成17年分から金額が変わっているから注意が必要ね。
そうなんだ。その控除って意外と大きい特典だね。白色申告だと特別控除ってないしね。
そうね。2つ目は『青色事業専従者給与』ね。専従者給与を必要経費に算入することが出来るのよ。
たま姉、青色事業者専従者って何のこと?
青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のことよ。年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に従事している人に支払った給与は、届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費として認められるのよ。白色申告の場合は専従者1人当り最高50万円(配偶者は最高86万円)だから、それ以上の給与でも全て必要経費になるわ。
じゃあ私がダンナの仕事を手伝って毎月給料を貰った場合も必要経費に算入出来るってことだよね?
まあ、常識の範囲内の適正な金額であればね。ちょっと手伝っただけで何十万円も貰うっていうのは無理よ。ちなみに、青色事業専従者として給与の支払いを受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれないから注意が必要よ。
なるほど。でもきちんとお給料が貰えるんだったら、いろいろと手伝ってあげてもいいかなって思うな。
3つ目は『貸倒引当金』よ。これは事業の遂行上に生じた売掛金や貸付金など、貸倒れによる損失の見込額として、貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費として認めるというものよ。
うーん、ピンとこないけど、どういうこと?
そうね、要するに、仕事をしたけど未入金の収入や、事業主として貸しているお金がある場合に、その5.5%以下の金額を経費として申告できるのよ。
なるほど。これはある意味保険みたいなものだよね。
そして、4つ目は『純損失の繰越と繰戻し』が出来るわ。事業所得などが赤字になり純損失が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって各年分の所得から差し引くことができるの。
赤字から黒字になったときなどに、赤字のときの分で相殺できるわけか。かなり助かりそうな気がするね。
その他にも青色申告の承認を受けている人は、白色申告にはないたくさんの特典が認められているから個人事業主の方には青色申告をおすすめするわ。様々な控除が受けられるのは家計にとって良い話だと思うわよ。ほら、ゆかりちゃんの私立進学のこともあるしね。
うん。でも今までみたいに大まかに収支をまとめたものじゃだめってことだよね。青色申告になると帳簿の書き方とか収支の管理が一気に難しくなってる感じがするんだけど……気のせい?
そんなことないわよ。毎日きちんと記入すれば簡単なものよ。領収証をためたり、帳簿への記入を先延ばしにするから後で大変になるのよ。青色申告者の特典を考えたらやらなきゃもったいないわ。まして利益が出ているのなら尚更ね。それに今は青色申告向けの会計ソフトなども充実しているから、収入や経費を記入していけば青色申告に対応した複式簿記の形式で記帳できるわよ。
そっか。思ってたより簡単そうだし、せっかく青色申告の勉強をしたから、頑張って申請してみようかな。
そうよ、やってみなさいよ。青色申告はきちんと帳簿を作り、期限を守って申告しないと青色申告の承認を取り消されちゃうから気をつけてね。
オッケー。今日はいろいろ勉強になったし、朝一で来た甲斐があったよ。今日は早起きしたから時間もあるし、アロマオイルマッサージに寄って帰ろうかなー。
そんなとこ寄らずまっすぐ家に帰りなさい。確定申告の帳簿をまとめたりしなきゃいけないんでしょ?
はいはい、わかりましたよーだ。