いいえ、入れる保険はあるわ。ただし、既往症、つまり現在発病していたり、治療を受けられている病気がある場合は、その病気とそれに起因する病気は不担保になってしまうわ。
う〜ん……キオーショー?知らない言葉が出てきたから、みか、良くわかんなかったよ〜。
ちょっと専門用語が出てきて難しかったかしら。じゃあ、簡単に説明するわね。みかちゃんのおじい様は糖尿病なのよね?
うん。今糖尿病でお医者さんにかかってるよ。病院に行ったり、お薬もたくさん飲んでるの。
そうするとおじい様の場合は、「糖尿病で入院した場合や、糖尿病が原因で発症した病気については保険金が支払われない」という約束でなら加入できる保険もある、ということよ。これが既往症の不担保ということね。
え〜!今かかっている病気は保険がおりないってことだよね。でも、それじゃあ保険に入る意味がないんじゃないの?
いいえ、そんなことも無いわよ。これから年齢を重ねるごとに今かかっている病気以外の病気やケガをするリスクも高くなるわ。必ずしも糖尿病だけで入院するとは限らないわよ?転んで骨折して入院されるかもしれないでしょう。
う〜ん。確かに言われてみればそうなんだけど……。
だから、既往症などをお持ちの方の場合は、既往症以外の病気に備えて保険に加入される方が多いわ。
でも、通常の医療保険より若干保険料が高いのよね。しかも1回の入院日数や通算入院日数が短く設定されている場合がほとんどなの。
え〜、そうなんだ〜。それに、おじいちゃまが他の病気したりケガするとは限らないよね〜。
だから、既往症の問題がある場合、保険に入ったつもりで保険料を貯蓄するという方もいるのよ。でも、やっぱり大きな病気やケガで入院や手術をした場合は保険に入っていると助かるわよ。おじい様のように糖尿病の方は難しいのだけど、血圧が高くてお薬を飲んでいる方や通風を持っている方、子宮の病気くらいなら、条件付の保障内容で普通の医療保険に入れる場合もあるわよ。これは保険会社によって異なるからよく調べてから加入を検討しなければならないのだけど。
なるほど〜。糖尿病のおじいちゃまにとっては『帯に短し、たすきに長し』ってやつだね〜。
それは使い方がちょっと違うような気がするんだけど……。
申し込むことは可能だけど、おじい様にとって本当に必要かどうかよく相談することが大切よ。検討されるのであれば、私がおばあ様に直接お話をうかがっても構わないわ。
そうだねー。ありがとう、たまきさん。
だから、今までに何度もお話ししていることなんだけど、保険に入るタイミングは、病気にかかる前、比較的若いうちが良いということね。
なるほど〜。
今でこそ一生涯保障の保険が多いけれど、おじい様が保険に入った頃はだいたい65歳くらいで保障が終わってしまう保険が多かったのよ。今でこそ80歳や90歳くらいまで長生きされる方も多いけれど、昔はこんなに長生きするなんて誰も思わなかったんじゃないかしら。
そうだよね。みかは100歳まで生きたいな〜。だんな様も長生きして、いつまでもラブラブでいるんだ。たまきさんも早くそういう相手探したら?誰かいい人いないの?みか紹介しようか?
……心配してくれてありがとう。でも今は仕事が忙しいし楽しいから後回しになっちゃうのよね。
そんなこと言っているとたまきさん、おばあちゃんになっちゃうよ〜?
ま、まだおばさんにもなってないでしょ!
うえ〜ん。ごめんなさ〜い。今のはちょっと言いすぎたよ〜。
もう、みかちゃんったら仕方ないわね、今回は許してあげるわ。そういえば、みかちゃん今日はマツタケありがとね。だんな様にも宜しく伝えておいてね。それと、おじい様やおばあ様にも保険のお話お伝えしてちょうだいね。
は〜い。わかりました。よ〜し、おうちに帰ってだんな様のために焼きマツタケ作ろっと!